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企業レポート

パイ拡大  スズケン  11月26日 (2013.11.25)

踏み込んだ折り返し 

トップ返り咲きのチャンス

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 スズケン(9987)は上振れ。踏み込んだ折り返し。3Q需要期を迎えた。未妥結価格交渉、チェーン薬局を除き目鼻がついた感触。上期の販価妥結69.2%(前期81.7%)、医薬品卸売事業の営業利益11億円(前年同期26億円損失)が手掛かり。適正な利益確保に向けて取り組みを強化する一方、販管費の改善に努めたという。直近も堅調。2014年度薬価改定、消費税引き上げを控え締まってきた。高齢化に伴う生活習慣病関連の薬剤や新薬の需要増が主因。11月14日厚労省発表によると、2011年度の国民医療費38兆5800億円(3.1%増)。1人当たり30万円に相当し5年連続最高。65歳以上72万円、64歳以下17万円という。団塊の世代が前期高齢者に達し、今後高い伸びが見込まれる。このため、医薬品卸売のほか医薬品製造、保険薬局、医療関連サービス事業などパイ拡大。トップ返り咲きを巡りビジネスチャンス。今回の未妥結解消、単品単価取引を含め川上、川下全国レベルで現場の問題を解決すれば売り上げが伸びる。日本がTPPに参加すると、福島県の被曝者を対象にした医療特区モデル事業が混合診療の普及につながるといわれ、前回述べたように今、来期もう一皮むける場面。6月26日定款の一部変更が総会で認められ医療一色。酒類及び宝石、貴金属の販売削除が印象に残った。メディパルの創薬開発支援が伝えられる中、糖尿病のベストパートナーを打ち出し子会社の三和化学を支援。主力「セイブル錠」をはじめ「スイニー錠」、富士薬品と共同開発した「ウリアッデック錠」(高尿酸血症・痛風治療薬)9月4日発売。参天製薬と共同開発の気管支喘息診断薬、便秘治療薬治験中。メーカー機能を持っているだけに強い。自前の薬局事業、介護サービス、08年立ち上げた中国の展開など10年スパンのビジネス。2年後稼働を目指す名古屋郊外の新物流センター(敷地3.4ha)が目玉。大規模災害に備え東海3県をカバー、次世代設計といわれる。日本製薬団体連合会の内藤会長(エーザイ社長)によると、 品質、効率、情熱とも世界で日本の医薬品卸ほど優れている国はない。医療機関でなく患者を最終顧客、混沌としているアジア展開が課題という。

 2014年3月期(連結)は、売上高1兆9705億円(4%増)、営業利益128億円(13.5%増)、経常利益285億円(3.7%増)、純益162億円(12.9%増)の見通し。修正していない。配当50円(中間25円)を据え置く予定。設備投資145億円(前期116億円)、研究開発費64億円(同56億円)の計画。来年上昇運で期待をもてる。6年振り4000円大台に顔を出しそうだ。

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