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企業レポート

純益最高の折り返し  文溪堂  11月19日 (2013.11.18)

隅に置けない成人力 

不易流行、万古不易の提案も 

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文溪堂(9471)は堅調。4期連続連結増収、純益最高の折り返し。トップ交代がタイムリーに決まった。計画通り、通期連結増収増益の見込み。小学校3年目、中学校2年目の新学習指導要領。移行措置前年度から通算4期、2Q連結ベース計6.4%増収が手掛かり。児童数が1958年1349万人をピークに2012年668万人(49.5%減)に落ち込む中、1988年の上場から25年で単体ベース3割増収よりハイペース。内容もある。06年、国がゆとり教育から学力重視に転換。07年全国学力テスト開始。09年新指導要領に伴う段階的な授業時間増によるもの。読書コンクールの課題図書選定がなく「バムケロ」の反動もあるが、テスト・ドリルなど採用増で吸収。2Q連結出版52億5300万円(0.03%減)、同教具18億2000万円(1.8%増)と健闘している。後者の場合、企画デザインが受けた家庭科布教材、持ち手の形状を工夫し特許申請した彫刻刀。2センチ目盛の裁縫物差などヒット。不易流行、万古不易の提案もみられる。日本はOECDのPIAAC(国際成人力調査)で読解力、数的思考力2分野トップになったが、同社の成人力も隅に置けない。前身が寺小屋といわれ書籍、教科書販売を起業。読み、書き、算盤を通じて識字率向上に努めた。2020年、創業120年を迎える。2015年から運気好調だけに楽しみだ。3、4Q を含め新たな材料が仕上げ教材「○年へGO」。現場の声にこたえるもので、新学年を迎えるため1年のおさらい。教科別パスポート仕込みにしている。9月に地元岐阜市の小学校で情報活用トレーニングの公開授業が行われ、同社のソフトでweb教材が使われたのも耳寄り。ネット社会におけるソーシャルメディアの功罪を体験で学ぶもの。デジタル教材導入につながる。Be-NET開設から21年。この分野10、20年後化ける見込み。今の制度の枠に収まらないためだ。英語教育が課題。小学校3年を目安に導入といわれ、幼稚園から英語、中国語、マレー語が義務教育のマレーシアの方が遥か上。シンガポールや香港など日常英語をこなすだけに、アジアの時代を迎えても明らかに見劣りする。江戸時代に都市の識字率が8割。日本人の2人に1人読み書きできたといわれ、戦前の旧制高校も世界レベル。受け売りだが、日本人の2人に1人が英語で読み書きできれば新世紀をひらく原動力になる。

 2014年3月期(連結)は、売上高109億4000万円(0.7%増)、営業利益5億5000万円(5.4%増)、経常利益5億4000万円(4.1%増)、純益3億円(1.5%増)の見通し。配当16.60円(中間8.30円)の予定。消費税引き上げに伴い対応検討中。10年値上げしていない。川元社長(64)は増収増益、増配に意欲。英語の前に国語教育見直しが必要という。2020年から10年、戦前戦後を通じて3度目の事業確立期。1株当たり連結純資産(1800円)を回復。上場来高値(90年2600円)に挑戦する日がやってくる。

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