証券ビュー

紫玉庵

日本の夏(下)    8月9日   紫玉庵 (2011.08.08)

デフォルト回避一過性  何が起きてもおかしくない

世界中で火山の噴火が活発化しています。

日本、チリ、アイスランドだけでなく、

地中海でも、

7月にはシチリア島エトナ火山が

溶岩を流しだしています。

これに、福島原発でメルトスル―した放射能は、

地下に浸透し、さらに地殻を刺激し、

地震を誘発します。

こうした中、いま、私たちは、

先祖供養の「お盆」を控えています。

お盆は、正しくは盂蘭盆会(えらぼんえ)といい、

これは、紀元前のアケメネス朝ペルシャでの

ゾロアスター教に基づく、

「死者の魂(ウル)救済の儀式」でした。

この儀式はクシャーン国で

仏教の習慣に取り入れられた後、

日本では657年斉明3年が最初で、

前年に山代の八坂郷

八坂神社の起源ができていました。

奈良時代の聖武天皇のときに広く認知され、

平安時代に貴族の各家で行われるようになり、

京都で五山送り火が行われる江戸時代に、

全国に普及し、風習になりました。

自らの先祖だけでなく、

これまでの人類の歩みと、

全てのいのちのことを考えたい。

一方、人間社会が、通貨を追い求める限り、

またまた、天皇家の金塊をめぐって、

さらに大きな悲劇があるのかどうか。

「国家」のことを思うと、気が滅入ります。

きちんと監視し全員で統治に参画しないと、

利権と格差、対立を増殖させるからです。

明治以降の近代化で

国家権力とともに貴族化し

特権を持った人間たちを、

戦後の日本統治に利用したのが

アメリカでした。

代理人になったのが自民党でした。

アメリカに対し、

完全服従の福田派(清和会)と、

独立派である田中派がありました。

両者の間で、じょうずに立ち回ったのが

原発導入の立役者の中曽根康弘でした。

戦後体制の中で、一貫して、

自分達は「奪われ続けた」「割を食っている」

と感じている人間たちが、

民主党政権の最大の支持者だったことが、

はっきりしてきました。

恨みからは、

富は、他人のものを奪うことはあっても、

新たに生まれることはない。

富は、あくまでも信頼に基づいた、

ひたむきな汗によってしか、

新たにうまれないから。

今回の米国のデフォルト回避は、

表面の金融システムの維持で、

ほんの一過性のもの。

国家の利権と、国家間の対立 の実態が、

どんどん浮き彫りになります。

日本の夏のクライマックス、

何が起きてもおかしくない。

もちろん、それ以降も。