タイ本格稼働が焦点
人材育成、3D対応など課題
旭化学工業(7928)は踊り場。パートⅡに入った。現状横ばいだが次第に盛り返す見通し。もう一皮むけそうだ。01年中国立ち上げ(06年工場増設)に次ぐもので、昨年10月増産態勢に入ったタイ子会社の本格稼働が焦点。前期2500万円にとどまり、今期1億円の計画だが、中国進出当時1年受注なしのトラウマ。マキタが先行してタイ子会社を立ち上げ、中国同様に品質・コストが折り合えば大量受注が見込まれる。他社から複数引き合いも来ている模様で、杉浦社長(46)兄弟かかり切りの案件。社長が来年から3年盛運だけに期待をもてる。バンコクの南100キロ、高台にあり敷地7800坪。マキタが3万2100坪。月産5万台の規模でアセアン絶好のロケーション。御大が電動工具から園芸機器シフト。市場が倍、3倍といわれ10年スパンのスケール。順調にいくと、国内、中国、タイ同レベルで連結売上高100億円が視野に入る。海外と価格競争をこなす上で人材育成、3D対応、材料開拓が不可欠という。一方、電動工具と自動車部品が得意先の90%を占め、樹脂アンカーボルトをはじめ自社製品の開発も急務。リーマンショックを吸収した上、タイが中国と同規模(前期37億円)の生産拠点になれば夢がある。率直なところ、2022年(創業60年)まで動乱期。次世代の仕込みと考えられる。来年から社運が上向くだけに前、今期10年の布石。タイ子会社は2014、15年順風と出ている。
2014年8月期(連結)は、売上高68億5000万円(0.2%減)、営業利益1億8000万円(15%増)、経常利益1億9000万円(1%増)、純益1億円と横ばいの見通し。配当8円(中間4円)を据え置く予定。足もと国内、中国順調、タイ赤字という。タイの設備投資が中国と並び7億円(当初5億円)レベル。従業員30人規模でスタートした。償却負担5000万円(前期3200万円)で頭打ちだが、当面現地売上高1億円突破が目標という。杉浦会長(72)もしばしば中国、タイ回り。前期円安で4億円程度跳ね返り、中国子会社から1億5800万円臨時配当を計上。タイ立ち上げを後押ししている。人材育成、3D対応、材料開拓が喫緊の課題になった。