総菜の可能性を提案
3大都市圏中心にインフラ魅力
カネ美食品(2669・JQ)は浮上。じわり締まってきた。商品改革、コスト構造、売り場、効率、教育などリーマンショックに伴う全事業活動見直しによるもの。震災・復興に際しスーパー、コンビニのほかデパート、駅ビル、駅ナカ、さらに夕食宅配参入など総菜事業のステップアップに直面。3大都市圏中心に15工場、303店舗(前期末)の脱皮が課題である。09年(40周年)が最大の節目。リーマンショックのさなかにトップ交代を表明。直近2期ユニー、サークルKサンクスが大揺れの中で比較的安定した実績を確保。「寿司御殿」や「K-STAGE」、「eashion」など総菜の新しい可能性を提案。オリジナル弁当、わらべや日洋、ロック・フィールド等としのぎを削っている。業態は中食(なかしょく)と呼ばれ、推定8兆円の市場。総菜や弁当など外食と内食の間で広がってきた。お年寄りや単身世帯、共働きの増加を背景に簡便さが受けているとみられ、同社の場合、3大都市圏のインフラが魅力。やがて、15工場フル稼働となれば様変わりだ。社運を調べると、今年も昨年に続き油断禁物。夏場以降要注意。来年後半から上昇運という。
11年3月期(連結)は、0.6%減収、5%営業増益、6%経常増益、7%増益と堅調。売上高を除き計画を上回った。外販事業は関東、関西のJR駅構内店舗に納品が始まり、夕食宅配にも販路を拡大する。12年3月期(連結)は、売上高816億3800万円(0.1%増)、営業利益29億4300万円(4%増)、経常利益30億3400万円(0.8%増)、純益16億4500万円(0.4%増)の見通し。配当は前期5円増配しており、50円(中間25円)を据え置く予定。設備投資3億7500万円(前期4億7700万円)の計画。デパートや商業施設など洋風総菜店舗の成長と、年700品といわれる外販事業の商品企画が脱皮を促す手がかり。スーパーとコンビニでもまれた信頼がよりどころになっている。2600円どころが固まってきた。