新体制で軌道修正 福島印刷 10月10日 (2013.10.09)
前期の反省手掛かり
成長分野DMDPを練り直し
福島印刷(7890)は踊り場。今、来期ステップアップ。軌道修正が見込まれる。8月21日スタートした新体制によるもので、成長分野IPDP(事務通知)、DMDP(販促)サービスのうち、DMDPの練り直しが決め手。もう一皮向けそうだ。予想以上に影響を受けた企業の販促費抑制、電子メールシフトなど前期の反省が手掛かり。受注状況によると、IPDP9億1800万円(27.1%増)に対しDMDPの27億6800万円(1.7%減)。DMDPが全体の半分を占めるだけに、景気が持ち直しメールシフト対応次第でパワーアップも考えられる。つまり、パックサービスと呼ばれるDM印刷・発送の梃入れが焦点。通販業者の高頻度なニーズにこたえるもので決算、半期、四半期、セール時から隔週、毎週対応。会員の購買履歴に照らし販促できる。データ管理から一貫した専用システムを1億円投入し構築。来年3月テスト開始、その後1年で本格稼働の計画。現在300の顧客を600社に広げ、4年後売上高6億円(倍増)の見込み。高齢者向けDMも加味したもので、2020年東京五輪が決まり追い風。福島会長(59)と下畠社長(しもはた=58)を中心とする新体制。自ら率先し「長期信頼」を実現。常に鮮度ある提案に挑戦するという。会社、新社長も来年から3年角度ある上昇運だけにタイムリーな印象。早々、2Q累計7.8%増収(前期4.6%減収)を見込み決意がこもっている。近隣3県と東京中心に官公庁、大手企業を顧客にしており、売上高60億円突破が関門。業界2強といわれる凸版、大日本印刷が壁にぶちあたり、活路を模索しているのも事実。近い将来、隣接する出版や広告業界と組んで何か出来そうな気もする。
2014年8月期(非連結)は、売上高58億300万円(5%増)、営業利益2億3400万円(22%増)、経常利益2億3100万円(29%増)、純益1億3000万円(29%増)の見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。純資産37億円に対し時価総額20億円。同様に凸版8884億円に対し5300億円。大日本9370億円に対し7100億円。比較にならないが割安に変わりない。2016年電子書籍元年といわれ、1450年グーテンベルグ以来の過渡期。現場の情報がすべてだけにDMDP、IPDPの着実な伸びが脱皮の鍵になりそうだ。東京五輪目前の2018年(創業90年)がステップの目安。ブレークスルーにつながる。