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企業レポート

1、2Q予想以上  中部鋼鈑  9月26日 (2013.09.25)

鋼材需給一段と締まる

五輪、リニアビジネスチャンス

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中部鋼鈑(5461)は反転。1、2Q予想以上。9月に入り東京五輪やリニアなど「第4、5の矢」が具体化。鋼材需給が一段と締まっており期待感大。リーマンショックから5年、前期3Qを底に急反発した鉄スクラップ相場が物語るもの。8月後半から再び高い。同社では、汎用品であるSS400と呼ばれる製品が敏感に反応。先高観が浸透している。震災復興を口火に補正、消費税引き上げなど土木・建築向けがリード。新日鉄住金がトヨタに対し、上期の自動車用鋼板をトン1万円(約10%)値上げに成功し流れができた。電炉のプライスリーダー東鉄がリーマン直前の9割まで戻したといわれる一方、同社は同直前に近い水準。スクラップ、電気料金の跳ね返りを勘案しても2Q黒字転換。下期自動車生産増加、産業機械の需要増が考えられ、通期予想を据え置いても強含み。2020~27年五輪開催、リニア開業に向けてビジネスチャンスに変わりない。このため、グループ挙げて品質・コスト競争力を強化。17年ぶりイントラネット更新を含め総コストを下げるという。同社は、創業(1950年)来一貫して唯一厚板專業。国内最大級の200トン電炉、ユニークな製鋼一圧延直結プロセスを実現した連続鋳造設備を保有。多品種・小ロット・短納期の小回りが売り物。国内厚板生産1095万トン(2012年度)のうち4.1%を占め、造船を除くと10%以上のシェア。2003年以降、連鋳機更新66億円、スクラップヤード増築6億円、圧延工場増築19億円、圧延基盤整備工事96億円、圧延機ハウジング更新13億円など一連のインフラ一新。今期、厚板ミルエッジャーに油圧AWCを設置。製品の寸法精度、歩留り向上が見込まれる。定款を一部変更し、11月から本社工場の屋根に出力1251kw(一般家庭350世帯分)の太陽光発電設備が稼働する見通し。2011年から名実とも無借金になり直近10年で体質が一変した。来年、上昇運。2020年(創業70年)~30年にかけて2度目の事業確立期。五輪、リニアが100年企業の先駆けになりそうだ。

2014年3月期(連結)は、売上高425億円(22%増)、営業利益10億円、経常利益同、純益5億円の見通し。配当は中間2円、期末未定。前期1Q数量15.3%減(単価15%安)、2Q同15.4%減(同17.4%安)だけに慎重だが、今期明らかに反転している。2Q発表(昨年11月2日)に向けて修正発表の公算が大きい。日本鉄鋼連盟によると、今年度の国内粗鋼生産は前年度(1億729万トン)を上回るという。厚板も造船を除き回復。相当な水準訂正(1株当たり連結純資産1698円)が予想される。2012年11月から13年3月まで60万株自己株を取得した。

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