昭和の風林史 (昭和四六年八月三十一日掲載分) (2013.09.18)
成り行き買い 上値に抵抗なし
叩き込み、斬り返し、
この前週末の瞬間の出来事で相場はまた変わった。
成り行き買いよし。
「鶏頭の穂先とびちる野分かな 八束」
台風23号の速度が時速15㌔。
進路をどうとるかで小豆相場は大暴騰する。
冷害の北海道に台風が襲来すれば、
その被害は、はかりしれない。
たとえまた北海道をそれたとしても、
影響をもたらすだろうし、
台風が抜け通ったあとの急速な冷えこみも、
考えておかなければならない。
週明けは九月限が八千円台、
十月限が七千円台に乗せた。
前週末の寄りの叩き込みを、
すかさず切り返しての強い地合いを、
23号台風がそのまま引き継いで吹き抜け型で、
先二本の七千円相場は時間の問題となる。
見ていると、買ってはみるが誰彼なく利食いが早い。
それだけ警戒心が強いのである。
逆に売ったら最後、すぐ引かされる。
いかに相場の基調が強いかが判ろう。
ともかく、こうなったら、この相場、
行くところまで行かなければ、おさまらない。
次に押してくるのは先二本が七千円抜けてからであろう。
その押しで恐らく押し目は終わり。
あとは上値付けほうだいの八千円吹き抜け
ということになるかもしれない。
新ポは二月限がどのような寄り付きかたをしようと、
六日の在庫発表(五日は日曜・この日は満月)前後までは、
冷え込みと降霜警戒で、
非常に強い足取りの相場となるだろう。
また、秋の彼岸を控えて実需の動きも活発化する。
作柄のほうは、すでに進みようがない。
これは大変な相場だ。
もはや強弱など不必要の段階である。
ただひたすら買う。
上値目標なども考慮する必要はない。
買えば、必ず利食いが出来るのである。
26日の高値から28日の朝寄りの安値、
この押し目幅(大阪五百六十円)が
目先波動の基本値幅で、倍返し一月限七千百五十円。
そのあたりで軽く押すかどうかで、
押そうと、押さなかろうと大勢に別条なく
趨勢は六月21日の高値六千三百六十円に対して
八月16日の安値四千七百円までの
下げ幅千六百六十円という値が、
いずれどこかで付くことであろう。
筆者はそう思う。
●編集部注
利食いは器量という。
得てして利食いは早く損切りは遅くなる。
ただ、利食いする側にも言い分はあろう。
この時の東京市場は、前月十日の一万四一一〇円から
同月二十二日の一万五七九〇円まで
一本調子で一六八〇円上昇。
その後相場は八月十六日から一本調子。
この文章が書かれた時、そこから既に一九五〇円上昇。
波動的に「もう」と見ても致し方ない場面だ。
【昭和四六年八月三十日小豆一月限大阪三七〇高/東京三九〇円高】