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企業レポート

いかにも割安 スズケン   5月23日 (2011.05.23)

反転持ち越し踊り場

比較にならない厳しい見通し

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スズケン(9987)は踊り場。4月28日下方修正し、反転を持ち越した。前期連結、主力医薬品卸事業の営業損失43億円。メディパル36億円、アルフレッサも77億円営業利益を出しただけに意外な印象。昨年4月の薬価引き下げ(実質6.5%)、新制度による緩和措置の浸透が難航し、卸間の競争に拍車がかかったという。3・11大震災の影響も大きい。関東と東北の各支店や戸田・千葉物流センターが被災。特損17億円計上、グループで300人以上支援活動。義援金のほか同等の寄贈品を送った。物流センターに自家発電装置をつけるため、今期の連結設備投資210億円(前期178億円)の計画。前期利益を出したのが子会社の医薬品製造、保険薬局、医療関連サービスどまり。やきもきしている。今期は薬価改定がなく有事の対応。医療用医薬品市場の伸び4~5%(前期2.5%)、セイブル錠210億円(同185億円)を見込み全員営業。懸案の適正な単価実現に全力を挙げる構え。セイブル錠の処方拡大、SK-0403(新規経口血糖降下剤)とFYX-051(高尿酸血症・痛風治療薬)の早期承認に取り組むほか、物流センター9拠点と補完機能を持つ8つの商品センターが連携。流通改善も徐々に結果が出そうだ。12年(創業80年)にかけて2度目の事業確立期。社運は今年前半上昇運。後半調整運。処世術に長けており、巻き返すとみられる。

11年3月期(連結)は、0.9%増収、61%営業減益、30%経常減益、31%減益。計画を下回った。2Q46%にとどまった価格交渉妥協。3、4Q追い上げならず次期に持ち越した。12年3月期(連結)は、売上高1兆8420億円(5%増)、営業利益31億円(42%減)、経常利益182億円(9%減)、純益100億円(4%増)の見通し。12円減配し50円配当(中間25円)の予定。最大手メディパルが49%営業増益、純益101億円、18円配当の予想であり余裕がうかがえる。優待新コースを追加。日本赤十字社「東日本大震災義援金」を6番目の選択肢にした。今期も逆境に違いないが、前期の当初予想(54%営業増益)と比較にならない厳しい見通し。むしろ、1Q(昨年8月3日)、ないし2Q発表(同11月5日)で上方修正も考えられる。医療は今後規制緩和。混合医療に移行し成長産業。1800円台後半(連結1株当たり純資産3157円)はいかにも割安である。

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