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企業レポート

海外シフト   田中精密  9月24日 (2013.09.20)

 

「攻めの合理化」に拍車

 ホンダのグローバル構想に呼応

 

 

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田中精密工業(7218・JQ)は海外シフト。1、2Q概ね計画通り。バランスを取り戻した。事実上、米国とタイの稼ぎで国内、インド、ベトナムの営業赤字を吸収。グローバル展開を打ち出した第12次中期計画(2015~17年3月期)のプレ段階。生産・管理、開発、インド・ベトナム新拠点立ち上げを通じて「攻めの合理化」に拍車がかかっている。ホンダのグローバル構想(2016年度の世界生産600万台)に呼応するもので、今、来期世界5極体制を巡る踊り場。リーマンショックから5年。超円高、東日本大震災、さらにタイ洪水をしのぎ逆回転の反動が追い風。ドルに対し円高修正25%も一例だが、原材料に燃料高。日本にこだわらず適地適産に切り替え国内黒字転換。2016年度インド8億円、ベトナム18億円を目安に本格稼働の運び。ひところ3割、現在1割といわれる輸出が時代の流れを象徴している。米国進出が1994年、タイは96年で20年近くの実績。30、40年が収穫期といわれるだけに2018年(創業70周年)、28年(80周年)にかけて次の山が見える。ロッカーアーム中心にVTECエンジン部品で定評があり、インド、ベトナムの二輪車部品も10、20年後楽しみ。10年スパンで脱皮、羽化が予想される。その点、5月16日F1復帰を表明したホンダが手掛かり。2000~08年以来4度目。英国のレーシングチーム「マクラーレン」に2015年からエンジンを供給。世界一を目指すもので、ブランド知名度を高め600万台のうち半分を中国、インド、東南アジアなど新興国でさばく考え。今回エンジンをV8・2400ccからV6ターボチャージつき1600ccにダウンサイジング。技術、環境でもアピールするという。ホンダは12年度国内販売87万台、海外318万台で増加の大半海外になる。四輪車最後発だけにユニークな提案が持ち味。同社は、直近5年逆境を乗り越えホンダの可能性に賭けている印象。そのホンダ、来年から3年多忙な上昇運。ツキが戻ってきそうだ。

 

2014年3月期(連結)は、売上高512億5000万円(9%増)、営業利益24億円(28%増)、経常利益21億7000万円(33%増)、純益7億円の見通し。2円増配し16円配当(中間8円)の予定。設備投資57億円(前期60億円)の計画。1単元100株から貰える富山産コシヒカリ「つぶぞろい」(新米3㎏)がバカ受けしている。2014、15年調整運だが、半値戻しざっと1500円。ゆくゆく全値戻すとしても資本金わずか5億円。発行済み株数976万株。業績回復が明らかになれば、過小資本の是正が見込まれ、大幅な水準訂正が予想される。

 

 

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