道筋つけた事業再構築
2、3Q反転のきっかけ待ち
名古屋電機工業(6797)はボトム圏。前期から新体制に入り動意含み。今、来期反転が見込まれる。直近2期上方修正。受注残(期初71億円)が豊富なためで、海外と新分野が次の手がかり。需要期の4Qを待たず2、3Q打つ手が注目されるところだ。昨年12月、オプトエレクトロニクス事業部を三重県桑名市から愛知県あま市に移転。情報・検査装置の拠点統合も支援材料。既存市場のシェア拡大、海外・新規市場の開拓に道筋をつけた。海外は、4月から深圳と無錫2拠点体制。上海の展示会で感触をつかみ、中国とアセアン向け案件取り込みが課題。新規は、震災に伴う福島県相馬市の放射線量情報版が話題。それに、自転車道用やエコ電子百葉箱など風力や太陽光発電による情報版の提案活発。ともにアタリがきているようだ。しかし、7月29日発表した1Q連結によると、30%増収に対し営業損失5億600万円計上。喜んでばかりいられない。競争は激しく設計変更がしばしばで、進行基準のせいもある。2Q以降、持ち場、持ち場の対応が鍵を握りそうだ。
12年3月期(連結)は、売上高136億円(横ばい)、営業利益3億1000万円(5%増)、経常利益3億円(3%増)、純益2億5000万円(26%減)と慎重な見通し。配当は期末5円を据え置く予定。3月に2年ぶり320円(1株当たり純資産1589円)のWボトム。延べ10年調整し出番待ち。三たび上方修正も考えられ、2、3Qきっかけがほしいところだ。06年(創業60年)を節目に事業再構築本格化。16年(同70年)にかけて仕込みが生きる。社運は今年冬ごもりだが、干場社長(63)が来年から5年上昇運。2Q(前期11月4日)、3Q発表(同1月31日)が注目される。