2つの事業に方向感
検査装置の新製品に反響
名古屋電機工業(6797)は反落。1月31日発表した3Qまで見込みを下回ったが、4Q情報装置が需要期に入り概ね計画通り。次期につながりそうだ。1月19~21日東京ビッグサイト「ネプコンジャパン2011」に出展したはんだづけやX線検査装置など新製品の反響が予想以上。検査装置の受注回復(計画12億円)が見込まれるためだ。前期、政府の景気対策に伴う情報装置の受注増が反転のきっかけ。今期、情報装置の反落を見越し検査装置の巻き返しに入ったばかり。昨年9月1日述べたように、従来の最高価格帯を半分、中・低価格帯も3割下げた設計で品質、実用性、値頃感など結構受けたようだ。同社の場合、情報装置は官需で検査装置が民需。今期の民需比率10%(前期5%)の計画。情報装置は県単位、政令指定都市の更新需要掘り起こしが課題。予算の制約を受けて厳しいという。検査装置は中国に自前のルートができると海外でも回り出す。そこで社運を調べると、08年(50周年)が最大の節目。リーマンショックに見舞われた。10、11年安定しているが徐々に踊り場。慎重な対応が望まれるという。2つの事業に対し設計段階からコストを見直し、延べ100の協力会社挙げて50%ダウンに挑戦。情報・検査装置ともに方向感が出てきた。
11年3月期(連結)は、売上高123億円(17%減)、営業利益2億6000万円(79%減)、経常利益2億7000万円(78%減)、純益4億1000万円(61%減)に修正なし。配当は期末5円に戻す予定。4Qに限ると、前期は売上高81億7800万円、営業利益14億4900万円計上し2円増配している。今期の売上高予想は前年の3分の2にとどまるが、検査装置の新規受注が見込まれるだけに比較的明るい。取引先の生産拠点が海外シフトするのに伴い、検査装置のほか情報装置も何らかの対応を迫られる。今年は前半が上昇運。ピークに迫るという。