1、2Q予想以上 カネ美 8月28日 (2013.08.27)
外販事業が巻き返し
チルド弁当、新規取引先拡大
カネ美食品(2669・JQ)は反転。1、2Q予想以上。締まってきた。前期落ち込んだ外販事業の巻き返しが主因。既存商品の減収に対しチルド弁当、新規取引先拡大によるもの。外販事業は1Q連結9.2%増収、営業利益8800万円(前期2億4700万円損失)に急回復。チルドの拠点を埼玉から多治見工場に集約しフル稼働している。テナント事業は1Q連結3.0%増収、32.6%営業減益。新規出店、既存店改装にかかわらず材料高騰に伴い採算悪化。2Q以降、粗利確保が最大の課題という。社長直轄の商品企画本部を立ち上げ半年余り、両事業の人材交流と商品戦略によって内製化、定番商品強化、材料高騰に向けた取り組みなど改善の積み重ね。3、4Q厳しいというが乗り切る見通し。消費税引き上げを控え王道に従う意向だ。2、3年前まで取引の96%を占めたユニーグループ(筆頭株主25.6%)が現在90%程度。同グループは100周年を契機にコンビニ事業テコ入れ打ち出した。コンビニは10兆円市場。スーパー13兆円にひたひた迫っている。このため、今後出店・納品増が見込まれる一方、首都圏のオオゼキや東西のJR系コンビニ、生協など販路拡大に見どころ。前期踏み切ったコンビニ向け製造アイテム20%削減、廃棄ロス減少も効いてくる。相対的に同グループ向けが80%まで下がると60%も視野に入る。16日に連結子会社エスジーダイニングを10月1日吸収合併、本社を9月18日名古屋市緑区徳重に移転すると発表したが、多治見に集約したチルドが成功すると相当なインパクト。来年から丸3年上昇運だけに2Q以降楽しみだ。中食(なかしょく)は少子高齢化、単身世帯増、女性の社会進出など8~10兆円規模といわれる成長市場。同社はスーパー中心にデパ地下、主要駅商業施設等に惣菜店舗を展開するテナント事業、コンビニ向け商品の製造・納品や生協から夕食宅配を受託するなど外販事業の二本柱。3大都市圏中心に15工場稼働し、ユニーグループの中で外部取引拡大の最右翼。味と品質にこだわり、財務もいいだけに消費税引き上げが転機。チルド弁当、新規取引先拡大に強みがつきそうだ。9月7日、「2020年東京五輪開催」が決まれば尚更。2027年、2045年リニア開業も支援材料になりそうだ。
2014年3月期(連結)は、売上高850億8100万円(4%増)、営業利益23億8300万円(13%増)、経常利益24億4200万円(11%増)、純益13億3400万円(29%増)の見通し。配当50円(中間25円)の予定。設備投資12億円(前期20億円)の計画。1Q累計6.7%増収に対し7月8.4%と高い伸び。材料高騰と本格的に取り組めば上方修正も考えられる。