1Q13%増収 ヨシタケ 8月22日 (2013.08.21)
「海外本社」本格稼働
中国、アセアンの需要増に備える
ヨシタケ(6488・JQ)は尻上がり。巻き返す見通し。1Q連結13%増収で飛び出した。一昨年タイ洪水に見舞われ被災した子会社YWT(ヨシタケ・ワークス・タイランド)が本格稼働。前期末洪水前の水準を超え、年度内鋳造工場も稼働する運び。昨年11月から円安に伴い米国、中国など輸出の回復も支援材料。国内とタイを結び生産システム再構築。ベストミックスにより海外販売(前期連結15%)、国内シェア拡大が見込まれる。タイに営業マンを複数派遣し、これまでの代理店営業に加えて、ユーザー向け提案営業に注力。中国やアセアンの日系、外資系回りを通じ直販ルートができそうだ。日本とタイでセミナーも活発。復旧、復興から復活のステップに入った。YWT関連の投資前期14億円、今期10億円の計画。受取保険金5億円を加味しても連結売上高の3、4割占め「海外本社」に相当する。1989年設立したもので4半世紀。すでに投下資本を回収し次世代のインフラ。中産階級が続出した中国と、アセアンの重要増に備える。一方、国内でも地元名古屋駅前が超高層ビルラッシュ。3年後JR東海、郵政、大名古屋ビルが稼働するほか、2027年リニア開業を巡り近隣周辺も大規模開発でもちきり。その点、売上高の1割強同郷のオータケ(7434)と取引があり、相当な受注が予想される。また、連結子会社の宏洋サンテック好調。大口受注一巡のカワキ計測工業も底堅い。このため、2014年(設立70年)以降一皮、二皮むける。12、13年の仕込みによるものだ。
2014年3月期(連結)は、売上高64億5000万円(9%増)、営業利益4億円、経常利益6億4000万円(5%増)、純益4億5000万円(13%減)の見通し。さらに1円増配し期末24円配当の予定。円安に伴うエネルギーや素材高騰、新工場償却負担増をこなし尻上がり。来年から3年上昇運、社長も同運だけに期待をもてる。東南アジアで最低賃金が大幅に上がり、タイ政権・同経済の反動も伝えられるが動じない。リーマンショックから5年。記録的な円高のほか大震災、タイ洪水のおまけつき。前期連結営業赤字9400万円(経常利益6億1000万円)で乗り切っただけに力をつけた。真紅のシリーズが関心をひいたように、次世代の新製品登場が待たれる。何しろ、減圧・安全弁国内トップ。海外で戦えるめどがついた。7月25日865円を戻り高値に調整一巡。2、3Q水準訂正に進みそうだ。