今、来期巻き返す CKD 7月19日 (2013.07.18)
前期4Qから尻上がり
70周年迎え新中期計画スタート
CKD(6407)は攻勢。持ち直した。円安定着を追い風に半導体の底入れが手掛かり。必ずしもよくないというが、前期4Qから尻上がり。円ドル90円が基準レートだけに1Q発表(31日の予定)よし。4月2日設立70周年を迎え、新中期計画グローバルCKD2015スタート。前計画が未達となり巻き返す構え。成長市場や新興国向け製品開発、販売、生産のグローバル化が骨子。再び連結売上高850億円、営業利益90億円(2016年3月期)が目安になる。戦前戦後70周年の歩みが本社、HPで紹介されているが、1985年米国を口火に88年タイ、2001年中国、02年韓国、07年台湾などに進出。米国撤退をトラウマに海外展開が遅れ、今回中国とタイを軸足に取り戻す印象。拠点整備、最適地生産を実現する計画で、中国(東アジア供給基地)、タイ(アセアン同)、韓国(半導体市場)と日本(マザー工場)を結ぶもの。このうち、今年10月竣工予定の中国新工場が目玉。11、12月稼働見込みで来期フル寄与の運びだが、現在の機器約25億円が追って50、70億円規模に拡大。いずれ予想される東アジア、アセアンを巡る「設備投資ブーム」が語り草。人件費上昇が省力化をもたらすのも道理。70周年の最新インフラが100周年の布石になりそうだ。今期の連結設備投資63億円(前期27億円)の計画。うち33億円が中国で前期も10億円投入している。国によって仕様が違うだけに木目細かな対応が必要という。一方、成長市場のスマホ、2次電池、医療・医薬品分野。大競争下に置かれ切り替えが早いだけ悠長なことで回らない。しかし、同社のコアテクノロジーは自動化、流体制御70年の実績に明らか。たとえば、医薬品の高速ブリスタ包装機の国内シェア80%。グローバル2015にしても通過地点に過ぎない。
2014年3月期(連結)は、売上高730億円(12%増)、営業利益60億円(85%増)、経常利益同(71%増)、純益39億円(59%増)の見通し。配当14円(中間7円)の予定。前期未達の反省が込められ海外、成長市場ともに1年前の予想に戻した。自動機械150億円(受注高180億円)、機器580億円の計画。会社は調整運だが安定しており、梶本社長(56)も同運。今、来期リーマンショック、大震災、円高、欧州金融危機など逆回転の反動が予想される一方、景気回復が設備投資に結びつくか意見の分かれるところ。その点、4月に立ち上げた技術のプロ約60人によるメンテ、アフターサービス専門子会社が出番。軌道に乗ると引っ張り凧になりそうだ。