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企業レポート

ぶれないのが魅力  マキタ   7月17日 (2013.07.16)

100年目前に新体制

園芸機器の展開スピードアップ

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マキタ(6586)は好転。前期後半から尻上がり。事実上、続伸の見通し。慎重な欧州にひきかえ、日本と米国の住宅投資回復、新興国の需要増、さらに昨年11月以降円安の定着が主因。05年に投入したリチウムイオンバッテリー製品のシリーズ化が先進国で受ける一方、新興国でも価格、機能、耐久性などニーズにこたえる製品を拡充。販売のほかアフターサービスの維持、向上に努め、シェア国内過半、海外4分の1といわれる。2015年(創業100年)を前にオーナー後藤会長(66)と生え抜き堀社長(65)による新体制発足。海外に精通した社長を迎え代取2人で業務を補完。電動工具100年を足場に、次の100年園芸機器の展開に備えた。前回述べたように、電動工具1兆円に対し園芸機器2、3兆円市場。一にも二にも迅速な製品開発が鍵という。4月にマキタ沼津(旧富士ロビン)を吸収合併したのもこの一環。スピードアップするためで、愛知県の日進はじめ国内外4ヵ所の開発拠点に集約。草刈りや刈り込み、枝払い、耕運など排ガスがなく低騒音、低振動のリチウムイオンバッテリーを使った次世代製品開発に意欲。連結売上高の8、9%といわれる園芸機器を徐々に引き上げる。中国と尖閣問題で明らかなように、電動工具の軸足がぶれないだけに見どころ。そうでないと、100年を境に電動工具が出来上がり、園芸機器も準備不足になりかねない。黒田日銀が4月4日に異次元緩和を打ち出し、2年で物価上昇2%を宣言したが、同社も2年後の3月21日丸100年の創業記念日。これから2年が前途を左右する旨異論ない。トップ交代で新鮮な緊張感が漂っている。1年前にタイ工場を立ち上げ月産7万台規模。受注増が見込まれ後半から寄与。中国(生産比率88%)が満杯になり期待がかかる。ブラジル工場拡張、英国から欧州主力の地位が移ったルーマニア工場も次のステップ。新興国向け現地ニーズを盛り込んだ設計に切り替え、相当なコストダウンが必要という。一方、5月14日シャープ(6753)と提携を発表。IT、制御技術取り込みが狙いとみられ時間を買ったもの。これから中味を詰め具体的な共同開発に着手。これまでにない新製品を市場に投入する見通し。リーマンショック、大震災、円高、さらに尖閣でもぶれず、スタンレーブラック&デッカー、ボッシュと世界3強の一角。2年後が楽しみだ。

2014年3月期(連結)は、売上高3450億円(11%増)、営業利益560億円(23%増)、経常利益575億円(26%増)、純益390億円(同)の見通し。中間配当18円、配当性向30%を目安に期末(前期67円)を決定する。設備投資150億円(前期115億円)。中国40億円、ルーマニア30億円ほか更新。ドル95円(前期83円)、ユーロ125円(同107円)の基準レート。来年から3年、跳ね上がるような上昇運に入り興味深い。カタログハウスの「通販生活」2012年度売り上げランキングが2位に入ったコードレスクリーナー。97年発売以来改良を重ね累計販売台数53万台。JR東海の車内清掃でプロも使っているのが受けロングランになった。5月22日6200円をつけ07年の上場来高値5920円を突破。前例にないエネルギーが感じられる。

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