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企業レポート

悲観が裏目に 武蔵精密 12月2日 (2010.12.02)

円ドル80円現地でも対応

ピークの8割まで戻す見通し

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武蔵精密工業(7220)は予想以上。3、4Q円ドル80円に見直し、新興国の生産拠点増強。来年も悲観が裏目に出そうな気がする。筆頭株主のホンダ向けが7割。海外売上高も7割を占め、アジアや南米中心に2輪・4輪小型車市場拡大。米欧大手カーメーカーとも取引が増加しているためだ。5月11日述べたように、ホンダ以上のビジネスチャンスが見どころになる。リーマンショックを受けて09年3月期連結43億円純損を計上したが、前期底入れし今期ピークの8割まで戻す見通し。市場は4月に2414円をつけ事実上半値戻し。3Q以降全値戻しをうかがうトレンド。3Q発表(前期1月29日)まで踊り場とみられる。

7月30日、10月29日にも上方修正したホンダの見通し沿ったもので、前期損益分岐点が急ピッチに下がり1、2Q上方修正にはね返った。市場は11月円ドル80円台後半をつけ、一時80円割れを織り込んだが、ユーロ安や米韓軍事演習によるドル買い戻しにより束の間の円安一巡。再び円高が予想される。しかし、日本企業の実効レートは70円とも60円ともいわれ、現地対応も進んでいる。成長する新興国市場に対し、いちいちリスクを気にしていられないのも事実である。

2Q連結累計は、37%増収、営業利益11・3倍、経常利益5・7倍、純益4・7倍の折り返し。国内、北米、欧州に対しアジア、南米が比較にならない高い伸び。ベクトルがはっきりしてきた。11年3月期(連結)は、売上高1280億円(19%増)、営業利益122億円(2・1倍)、経常利益121億円(倍増)、純益68億円(91%増)に見直した。5月増配し30円配当(中間15円)の予定。「国内は4Q心配だがアジアが特にいい」(大塚社長)という。ホンダの社運は来年も調整だが、同社の場合上昇運。18年(創業80年)にかけて2度目の事業確立期。年明け3Q発表から新しい風が吹きそうだ。

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