巻き返しの助走 武蔵精密 5月29日 (2013.05.28)
回り出すと止まらない
2014,15年テイクオフ
武蔵精密工業(7220)は回復。持ち直す見通し。ホンダの巻き返しに呼応するもので助走段階。目下、北米とアジアが焦点。欧州の落ち込みが尾を引き南米底入れ、国内縮小の印象。前期タイ洪水に伴う代替生産、3Q以降南米で二輪車減産、中国でも四輪車減産、さらにインド子会社の素材コストが予想以上で連結91%営業減益。為替差益18億円と受取保険金45億円で一息ついた。今期は正常に戻るため改善と円安効果が増益要因。復活の足固めだ。設備投資240億円(前期229億円)をこなし2014、15年テイクオフ。ホンダが7年振り15年にF1復帰を決めたのも支援材料。インド、メキシコで新工場を立ち上げる一方、インドネシアで第2工場を増強。2020年8000万台(12年5800万台)といわれる世界の2輪車市場拡大に備える。ギア、カムシャフトを主力に金型から組み立てまで一貫生産。2輪車8割、4輪車用5割海外生産。国内の4輪向けが軽にシフトし再構築待ったなし。前期の連結売上高353億円に対し200億円レベルを目安に調整。マザー機能を高めながら次世代、新規事業に切り替えが課題という。このテーマ、次世代の若手社員に打ってつけ。身を以てモチベーションが上がる。グローバルビジョン2020に盛ったビー・ユニークそのもの。海外売上高9割が前提だけに、国内再構築もユニークでないと回らない。1980年に米国ミシガン進出から30有余年。昨年ベストミックスにより初の黒字計上。底力がうかがえる。前期連結売上高の72.7%がホンダグループ。海外8ヵ国9社で生産販売しており、日系のほか欧米の大手と取引先拡大。同社は調整運だが、ホンダが来年から強い上昇運で面白い。
2014年3月期(連結)は、売上高1420億円(13%増)、営業利益80億円(8.5倍)、経常利益同(3倍)、純益50億円(2.7倍)の見通し。さらに4円増配し44円配当(中間22円)の予定。大塚社長(47)が上昇運途上で踏ん張りどころ。前期と今期計469億円の設備投資をモノにする場面。来年回り出すと止まらない。リーマン前につけた07年10月高値4000円が関門とみられる。