逆回転の反動 今仙電機 5月15日 (2013.05.14)
上場来高値更新が目安
取引先に恵まれ最高純益更新
今仙電機製作所(7266)は巻き返し。逆回転の反動が伝わってくる。リーマンショック、大震災、超円高、タイ洪水など雌伏5年のリバウンド入り。昨年11月から円高修正、株高定着。4月に日銀の異次元緩和も反転の手掛かり。少なくても今後2年に及ぶもので、10日決算発表を受け大幅な水準訂正。「ドリーム2020」を掲げ初年度出遅れただけに、フェーズ1(2012~14年度)達成の追い風になった。得意先のホンダ、日産、三菱自、富士重、マツダ、スズキなど一斉に攻勢。今、来期最高益更新も考えられる。このため、国内(前期連結売上高49%)に軸足を置く一方、北米(同20%)、中国(同14%)、アセアン(同13%)など海外が二桁の高い伸び。円ドル94円で予算を組み、早々上方修正の声が出ている。前回述べたメキシコ新工場に中長期妙味。2014年度稼働を目指すもので、米国オハイオ工場の生産移管と中南米向け生産拠点をこなす役割。20%超小型・軽量化を実現し、シートのリクライニング機構に使われる世界最小のラウンドリクラー、ウィンドレギュレータの新製品開発も見もの。さらに、連結子会社の東洋航空電子が手掛ける新規プロジェクトが面白い。三菱航空機MRJ向けワイヤーハーネス製作、艤装作業を提案。今年初飛行の予定で採用されるとステップアップ。東京理科大、三菱重工と共同でSOBC(超小型衛生)の開発も伝えられ、「ドリーム2020」3年刻みに見どころ。フェーズ2、3を通して連結売上高1800億円(前期861億円)、シートアジャスタ世界一の夢に賭ける。今、来期発射台。フェーズ1達成が不可欠になる。
2014年3月期(連結)は、売上高1100億円(28%増)、営業利益55億円(96%増)、経常利益59億円(64%増)、純益40億円(2.3倍)の見通し。6円増配し26円配当(中間13円)の予定。設備投資86億円(前期77億円)の計画。前期2度下方修正し、リコール発生に伴う製品保証引当金10億円を特損に計上したため、新年度締まって見える。会社、藤掛社長(58)が上昇運途上。日産、三菱自も上昇運に乗っており、ホンダが来年から3年上昇運。取引先に恵まれいいポジションにつけている。今期最高純益(08年3月期39億5700万円)を突破する見込みで、当然上場来高値(07年2280円)更新が目安になる。