スケールアップ 田中精密 5月9日 (2013.05.08)
世界5極体制に移行
グローバル構想にこたえる
田中精密工業(7218・JQ)は続伸。一段とスケールアップ。ピッチが上がってきた。米国市場復調、新興国の市場拡大に呼応するもので、国内でもボトム体質構築に傾注。昨年11月から円安株高が定着し、内需回復も考えられる場面。給油しながら飛ばしている。事実、米国、タイ増強のほかインド(2013年5月稼働)、ベトナム(2014年2月稼働予定)立ち上げまで胸突き八丁。第11次中期計画(2012~14年3月期)に盛り込んだ。12年9月、世界生産600万台(16年度=当時の5割増)を打ち出したホンダのグローバル構想にこたえるもの。4月26日発表したホンダの今期予想連結純益がピーク(08年3月期6000億円)の97%だけに、計画をモノにすると様変わり。トヨタや日産グループよりリーマンショックの跳ね返りが大きい。大震災やタイ洪水、中国の反日暴動など直近2期のハンディでも明らか。今、来期の仕込みが前途を左右しそうだ。新年度「攻めの合理化」を掲げ、生産・管理、開発、拠点立ち上げなど理詰めの印象。前期ドル94.05円(想定80円)、バーツ2.82円(同2.60円)に振れた円安を踏まえ、今期それぞれ95円、3.20円のレート。昨年11月ホンダの部品共通化、脱系列、大幅な納入価格引き下げ宣言を受けて開発、コスト競争力を一から見直している。ちなみに、ホンダは来年から3年上昇運。リーマン後落ち込んだ5年の反動が倍になって跳ね返る場面。同社は調整運で徹底的に追随するポジション。ともに2018年(70周年)が次世代の転機になりそうだ。
2014年3月期(連結)は、売上高512億5000万円(9%増)、営業利益24億円(28%増)、経常利益21億7000万円(33%増)、純益7億円の見通し。65周年記念2円を落とし16円配当(中間8円)の予定。売上高構成比が前期50%を切った国内の黒字転換と北米(前期80%増収)、アジア(同41%増収)の伸びがポイント。1Q発表(前期7月31日)が注目される。前期39億円(直前期29億円)償却負担をこなし頼もしくなった。設備投資57億円(前期60億円)の計画。岩井社長(64)、長岡専務(
61)ともに来年から上昇運。日本、米国、タイ、インド、ベトナム5極体制に移行。4月24日1070円まで戻したが、今後ホンダ同様落ち込みの反動が大きいとみられる。