逆リーマンショック
製造業の最高益更新跳ね返る
ダイセキ(9793)は回復。前期4Qから尻上がり。単体、連結ともに逆回転から抜け出した。国内製造業の稼働率が上がっているためで、昨年11月中旬以降円安株高がきっかけ。リーマンショックから5年、艱難辛苦を乗り越えた製造業の巻き返しに呼応。願ってもないポジションにつけた。同社の場合、処理能力推定年90万トン。今期95万トンレベルに上がるとみられ、リーマンから7%落ち込んだ単価の値戻しが課題。円安が定着すれば製造業の稼働率が上がるため、今期連結28億円(前期39億円)に抑えた設備投資が再び拡大。関東の処理能力を高める上で来期50億円相当の規模も考えられる。2015年(創業70年)にかけて次世代の仕込み。企業100年の布石。連結売上高500億円突破が視野に入った。現在の顧客口座数5700といわれ、毎期100~300前後増加の模様。シェアップしている。今後製造業が最高益を更新すれば同社に跳ね返り、逆リーマンショックにつながる場面。前期大阪府と兵庫県で始めたガソリンスタンド、カー用品など小規模事業者の廃油回収も支援材料。石油協同組合単位で提携の輪が広がる見込み。直近、香川県をまとめ全国展開に備えた。今期4億円(前期数千万円)、来期8億円の構想だが、47都道府県が対象で一巡すると相当なもの。再生重油のリサイクルが複線になり合理的でもある。一方、連結子会社の環境ソリューションが直近2期切り返し今期続伸。難度の高い受注をこなし逆リーマンショックの様相。石膏ボードもフル操業という。鉛リサイクルのMCRは前期2Q底入れし後半黒字転換。大型タンク洗浄のシステム機工も受注増から今期の黒字転換確実。ひところ後退したM&A案件。検討に値するものがあるという。
2014年2月期(連結)は、売上高395億円(9.6%増)、営業利益66億円(22%増)、経常利益67億円(20.6%増)、純益36億2000万円(19.6%増)の見通し。設立55周年記念1円を落とし20円配当(中間10円)の予定。新政権、日銀の異次元緩和について、円高是正当然との印象。欧米が過去5年リフレで痛みを散らしたのに対し、日本のメーカーは本当によくやったと感慨深げ。取り巻く情勢の好転が最大の手掛かりという。今年後半から上昇運。伊藤社長(70)が元気だけにもうひと山ある。1Q(昨年7月12日)より2Q発表から弾みがつきそうだ。