証券ビュー

有為の奥山

大変な事態   8月2日 (2011.08.01)

来春初動に復興相場
思い込みより市場から学ぶ

 

有為 7月から流れが変わりました。

NYダウ、日経平均は往って来い。

金先物と円、スイスフランが高い。

米欧の金融不安、世界景気の減速、

国内でも退陣表明した首相が続投し

指揮系統が乱れています。

8月2日、米国の債務上限引き上げ問題が

期限を迎え、

1日「引き上げ合意」が伝えられました。

奥山 デフォルトが後退し

買い戻しが入ったようだ。

流れは変わっていない。

日経平均が震災前の水準に戻していないほか、

純資産倍率以下、

配当利回り2%以上もざら。

市場は機能不全で経営者が気の毒だ。

リーマンショックを

猛烈な合理化で吸収し、

震災、原発事故に物怖じしない日本の企業。

1Q発表も健闘の部類。

にもかかわらず、

4月の円ドル85円が7月76円になり、

78円になったところでさらに

デフレが悪化する。

有為 その点同感です。

国内勢は市場と一線を画し見送りの状態。

外資も先物と現物の鞘を裁

定取引で掻き回しているのが現状。

225中心で個々の銘柄を無視しています。

これまで20年、先物導入、手数料自由化、

金商法施行など外資系の独檀場。

日本の市場は失われたままです。

奥山 これでは困る。

20年待ったあげく、

市場が使い物にならなくなる。

今さら制度をとやかくいっても始まらないが、

日本の場合、自己完結経済。

どこにも迷惑かけてないのに、

何故こんなに割を食うのか

憤懣やる方ない。

有為 金先物と円は、

信用を失いつつあるドルやユーロと対極。

日本と比較になりませんが、

米欧もかつてない苦しい立場と思います。

EUの中核ドイツ。

ユーロ安でしこたま儲けたといわれますが、

対象は域内16の国が大半。

加盟国はドイツの信用で

直後から低金利の国債発行が実現し、

ギリシャはばらまき、

アイルランドやスペインがバブル経済に突入。

ほとんど不良債権になった模様です。

中国や韓国も

強力な人民元、ウォン安政策によって

輸出を伸ばし、

今後反動がやってきます。

奥山 日銀は白川総裁になって

地道な対応が目立ち評価する声もある。

逆に永田町と霞が関は役立たず。

兜町に至っては外資に占領されたまま。

むしろ、日本企業は

20年さらしものになり強くなった。

その気になれば、

この円高でM&Aもできる。

有為 そうです。

ニクソンショックから40年円高。

バブル崩壊後20年デフレ。

日本はオイルショック直後の2年を除き

貿易・経常黒字を計上。

リーマンショック後さえ黒字でした。

震災、原発事故をこなし

復活すると見ものです。

奥山 その前に円高。

現実にどうしようもない水準。

米欧に問題があり、

日本で打つ手がないのも事実。

行くところまでいかないと止まらない。

有為 最後の円高と聞いています。

来年2月がめどで70円台前半。

その後円安になるといわれます。

円高デフレから円安インフレ。

世界中のマーケットが

踊り場を迎えました。

このため、来年2月まで毎日最善を尽くし、

円安インフレに備えようと思います。

奥山 円安インフレになると

日経平均も上がる。

失われた20年とはいえ、

日本企業、個人も資金を持っている。

確かに円高が収束すると

出番も考えられる。

来年2月といわれても、

にわかに信じがたいが、

70円台前半が視野に入った以上避けて通れない。

毎朝CMEに鞘寄せし、

後場アジア株の顔色をうかがうこともない。

有為 8月2日を口火に半年後が楽しみです。

日本の株は3月の震災暴落で

50兆円分値幅整理。

その後日柄整理を踏まえ出番待ち。

来春予想される反転が初動とみられ、

復興相場につながると思います。

奥山 そうなるといいが、

これから半年大変な事態。

勝手な思い込みより

市場から学ぶところだ。

日本企業が

実力にふさわしい評価になるまで

元気でいたいものだ。

有為 約束できませんが、

これから半年最善を尽くし、

来年の相場に備えようと思います。